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最高裁判所第一小法廷 昭和27年(オ)355号 判決 1954年1月21日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

論旨第一点は、原判決には訴願法一六条の解釈を誤つた違法があると主張するが、論旨にいわゆる第一回目の買収計画は、栃木県農地委員会がこれに対する訴願を棄却する旨の裁決をする前に既に、吉田村農地委員会によつて取消され、その効力を失つたものであり、その後になされた右訴願棄却の裁決は右第一回目の買収計画の取消の効果には影響を及ぼすものではないと解すべきであつて、所論は理由がない。

同第二点、第三点は、事実誤認、単なる法令違反の主張を出でないものであつて、「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものとは認められない。

よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 真野毅 裁判官 斉藤悠輔 裁判官 岩松三郎)

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